主に中国市場、中国人観光客誘致、広告、マーケティングについて書いています。中国人から寄せられる鮮度の高い情報を中心にお届けします。(日本旅行の写真は上海・広州等在住の中国人が撮影したものです。)
2010年6月29日火曜日
海外から見た日本の広告市場(2)
先日、日本人は細かいところにこだわる、と書きましたが、外国人もこだわるべきところには徹底的にこだわります。
私があるタバコ会社を担当していたとき、先方のディレクターはスペイン人でした。スペイン人、というとなんだかアバウトな感じがしますが(失礼)、この方は屋外看板や交通広告のクリエイティブ、そしてその見え方に徹底的にこだわっていました。
タバコ会社は当時屋外媒体に年間数十億を使っており、ブランド形成の重要な核をなしていました。日本人の感覚からすると屋外広告というのはどうしてもおまけみたいな認識が出てくるのですが、ことタバコ広告の世界では全く違います。
その一方で屋外広告というのはコントロールが難しいものです。看板一枚一枚全て置かれた状況が違うのと、相手が鉄道会社であったりするとそうそうこちらの要求は受け入れられません。
それでもブランドの世界観を統一するために看板を全部見て回ったり、電飾看板の中の電球のメーカーまで調べたり、早朝にに六本木のビルの電飾看板を空けて発光の仕組みを確かめたり、きちんとお金を払って質の向上に協力してくれました。
日本人でここまでブランドの世界観を大事にできる方にはあまり会ったことがありません。また、昨今「デジタルサイネージ」が百花繚乱ですが、一つ一つについてこういう思い入れを持った作業がされているのかどうか、ちょっと疑問です。
2010年6月28日月曜日
日本から見た海外広告市場(4)「信頼関係を築く」とは?
海外との仕事について、「信頼関係を築くことが大事」ということがよく言われますが、これは具体的には何を指すのでしょうか?私なりに考えてみました。
1.共通の言語を話す(英語でも、日本語でも、中国語でも、片言でもいいので話せる)こと。
2.一緒に仕事をしたことがあること。一方的な指示命令系統ではなく、対等な立場で仕事をしたことがあること。
3.たくさんのトラブルに合い、それを乗り越えて相互理解を深めたこと
4.仕事を超えたプライベートな付き合いがあること
5.双方が相手の国のみならず、欧米等グローバルな事情を理解していること
ちょっとハードルが高いですが、これらがそろって初めて本当の信頼関係と言えると思います。
言いかえると「相手が言っていることが信頼に足るのかどうか、自分の国におきかえて理解してもおかしくないか」ということで、つきつめると相手の言っていることが正しいと信頼できるということですね。
これは一言で書くと簡単ですが、実際にここまでの関係を築くのは難しいことです。ただ、いやいやグローバルなビジネスをやらされるよりも100倍エキサイティングで楽しいことです。
(写真は中国の仲間たちと)
2010年6月26日土曜日
日本から見た海外広告市場(3)中国編
(写真は中国の外資系広告代理店から欧州系飲料会社に転職した、いわゆる『中国ニューリッチ』な夫妻と私)
中国での広告ビジネスは不透明であったり、分かりにくかったりすることが多く、日本人からすると非常に戸惑います。ただ、彼らには彼らなりの経済的な必然性があり、意図的に何かこちらが都合が悪くなるようにやっているわけではないことも多いのです。
例えば、中国では広告に関する支払いのトラブルが多いようです。インフレといこともあり、大手のテレビ局が前金で支払うだけで20%引きになる(!)というようなこともあります。このように、きちんとメカニズムを理解していればトラブルも最小限になります。
また、現地の人自体がいい加減かというと、決してそんなことはありません。最初は日本側との利害や慣習の違いからいい加減であるかのように思えますが、信頼関係を築いて彼らの行動特性を理解すれば、本当によくしてくれます。本当に正確な情報というのはお互いがお互いの背景まで理解(広告市場など)していないと、得られないものです。
写真は私と家族が昨年中国広州に行った時のものですが、会社の所属がみんなバラバラになっても、人間関係や仕事の関係は丁寧に維持しようとするのが彼らの特性です。SNSを使って、元同僚の誰が今どこでどんな仕事をしているか、全て把握しているのには驚いたものです。
このような人間関係は一朝一夕にはできません。日本同様、一緒に仕事をして、汗を流してやはりできるものなのです。
2010年6月24日木曜日
日本から見た海外広告市場(2)中国編

中国は流動性が高い社会です。広告業界はその中でも高い方かもしれませんが、だいたい3年くらいで人が全部入れ替わります。会社も存亡が激しく、常に良い機会を求めて移っていないと相対的に後退してしまう、ということのようです。同じ会社にいてもなかなか昇進の機会はありませんし。
日本人がこだわる過去の経緯とか一貫性、前任者との引き継ぎなどもかなりアバウトです。4週連続でプレゼンテーションする人が変わったこともあります。会社によっては、部下が結んだ契約はオレは知らない、なんていうこともありました。
こう書くと悪いことばかりのようですが、彼らにしてみると経済成長が年に10%もしているときに細かいことにこだわる方がおかしい、ということのようです。結果がよければよい、ということです。確かにそうなっているのですから彼らの言うことも無視できませんね。
中国についてはまだいろいろありますので後日書きます。
2010年6月23日水曜日
日本から見た海外広告市場(1)台湾編
2010年6月17日木曜日
海外から見た日本の広告市場(1)

外資系の広告代理店にいるとよく本社から「グローバルな得意先のために、日本のマーケットや広告市場を説明して欲しい」という依頼が来ます。
日本の事情を知らない人に説明するのは大変ですが、貴重な気付きもあります。
このブログでも「なるほど」と思った出来事をできる限りご紹介していきたいと思いますが、1つ確実に言えるのは、日本人はディテールに非常にこだわり、時間を費やしているため、マーケティングのインサイトとか、本質的なところに向けるエネルギーが小さくなってしまうことです。
端的な例で言うと、テレビスポットの流れる1本1本の位置を事前に確認するようなことはアメリカでは不可能ですし、全体の数字で把握しようとしますが、日本では特に昔は一本の位置を動かすのが代理店の大事な仕事だったりすることもありました。
これはテレビだけでなく、全てのメディアやマーケティングについて言えることだと思います。(続く)
2010年6月16日水曜日
2005年以降、「バナー広告の買い付けから、トータルなコミュニケーション提案へ茨の道」
本題に戻ります。2000年以降、Yahoo等のネット系企業が躍進しても、業界内には危機感はありませんでした。「金額の小さい媒体が増えた」という程度の認識だったのです。
従来の媒体社は特に本質的な対応は取らず、代理店もレップを共同で作ってバナー等のスペースを仲介するというビジネスモデルで乗り切ろうとしていました。
今から考えるとこれは時代に乗り遅れたということになるのですが、当時の経営判断としては妥当だったかもしれません。
販売の金額単位が小さく、手間が多い商品をわざわざ進んで取扱う必要はなかったからです。ネットで企画を立てても、それを企画料として請求する仕組みもありませんでした。
この問題はずっと続いていますし、今後も続くでしょう。コミッションからフィーへと言いますが、アイディアや企画、情報に課金するということがいかに難しいかは当事者が一番よく分かっているはずです。
外資系ではそれがある程度進んでいますが、十分な収益を生み出していません。それ以外のものに、今までとは違う形でうまく課金できたプレーヤーが生き残るのではないかと思います。
以上、国内の話題が多くなりましたが、次回以降は海外との比較、海外事情について多く触れていきたいと思います。
従来の媒体社は特に本質的な対応は取らず、代理店もレップを共同で作ってバナー等のスペースを仲介するというビジネスモデルで乗り切ろうとしていました。
今から考えるとこれは時代に乗り遅れたということになるのですが、当時の経営判断としては妥当だったかもしれません。
販売の金額単位が小さく、手間が多い商品をわざわざ進んで取扱う必要はなかったからです。ネットで企画を立てても、それを企画料として請求する仕組みもありませんでした。
この問題はずっと続いていますし、今後も続くでしょう。コミッションからフィーへと言いますが、アイディアや企画、情報に課金するということがいかに難しいかは当事者が一番よく分かっているはずです。
外資系ではそれがある程度進んでいますが、十分な収益を生み出していません。それ以外のものに、今までとは違う形でうまく課金できたプレーヤーが生き残るのではないかと思います。
以上、国内の話題が多くなりましたが、次回以降は海外との比較、海外事情について多く触れていきたいと思います。
2010年6月9日水曜日
2010年6月8日火曜日
2010年6月2日水曜日
3. 2000年前後のITバブルと『ネットワーク化』
ITバブル期においても、マスコミ業界の業態は変わることがありませんでした。結局マスコミ業界は、外部環境がどうなろうとも、売り上げが伸びている限りは変化することはありません。変わることによって今までうまくやってきた経営陣が否定されるからです。
しかし、水面下では仕事のボーダーレス化、グローバル化が急加速していました。社内ネットワークの整備により、容易にグローバルプロジェクトや、管理が可能になったのです。今でこそこれは当たり前のことであり、大した変化でもないことのように思えますが、実際の業務には大きなインパクトを与えています。
それ以前と以後では仕事の「スピード」と「透明性」への要求度が全く違います。これがそれまでの利権ビジネスであり、ある種の不透明さがお金を生んでいた業界の構造を破壊してしまいます。そこに効果測定が容易なネット媒体が出てきたのですから、旧来の媒体や代理店はひとたまりもありません。
この状況に対する対応策は過去10年間、結局どこからも生み出されることなく、今日を迎えました。
しかし、水面下では仕事のボーダーレス化、グローバル化が急加速していました。社内ネットワークの整備により、容易にグローバルプロジェクトや、管理が可能になったのです。今でこそこれは当たり前のことであり、大した変化でもないことのように思えますが、実際の業務には大きなインパクトを与えています。
それ以前と以後では仕事の「スピード」と「透明性」への要求度が全く違います。これがそれまでの利権ビジネスであり、ある種の不透明さがお金を生んでいた業界の構造を破壊してしまいます。そこに効果測定が容易なネット媒体が出てきたのですから、旧来の媒体や代理店はひとたまりもありません。
この状況に対する対応策は過去10年間、結局どこからも生み出されることなく、今日を迎えました。
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